一瞬の風になれ(どん)
高校1年の秋はそれなりのシーズンをなんとか送れたように思う。
ただ腰の故障は治ったわけではなく、冬の練習もだましだましやっていた。
陸上競技のオンシーズンはもちろん春から秋にかけてであるが練習で一番重要な時期は冬である。
冬の走り込みや内容で次のシーズンの成果がはっきりと変わる。
故障があるうえに教えてくれる人がいないので、先輩と相談しながらやるしかなかった。
今思うと稚拙な練習しかできてなかったように思う。
中学時代から、冬の練習がいかに重要であるかは十分わかってはいたのだが、内容がともなっていなかった。
さらに春先に追い打ちをかける。体育の時間に肘を脱臼したのだ。
腕なので短距離走とは直接関係ないと思われるかもしれないが、スプリントと腕の動きはとても密接な関係があり、またもやシーズンの前半を棒に振ってしまった。
そういった不運もあってやはり煮え切れないシーズンとなった。
秋には完治しいくつかの試合には出たものの、公式タイムでは11秒の壁が破れなかった。(非公式ならあったんですが・・・)
そしてそのシーズンが終了し、「何となく」陸上競技から離れてしまった。
タイトルの小説を読んで感じることは、やはり高校時代の後悔だ。
あの先生がいてくれたら、あの故障や怪我がなかったら・・・、なんてことは思わないようにしているけどやはり悔しい。
ただ今大人になってこの時の経験がある意味活かされている面がある。
自分が高校時代に果たせなかったことがある。理由はもちろん自分にあるが、「良い指導者」がいて引っ張ってくれていれば何か変わっていたかもしれない。
私は今、陸上ではなく数学や理科を教えてる。
目の前にいる生徒が一人では乗り越えられない壁を乗り越えられるようにできたら。
自分が少しでも「良い指導者」になれたらと厚かましくも思っている。


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